1 白兎姫(はくとひめ) 王子と私の夢語り 啓元(けいげん)大陸――人々が霊力を身につけていることが常識とされる地に生まれたことを、路卿卿(ろ・けいけい)は嘆いていた。どうしたことか彼女には霊力がなく、そのせいで屋敷から出ることさえ禁じられていたのだ。ある日、近所の子供たちのいたずらで、白いウサギに姿を変えられてしまった卿卿は、使用人たちが止めるのも聞かずに屋敷の外へと逃げ出す。街を走り回るうち、馬車にぶつかってしまう卿卿。その馬車から降りてきたのは、晋(しん)王――啓元随一の霊力者で、今は亡き南宮(なんきゅう)王の長子・一昕(いっきん)だった…。 ¥220 無料あり 除外キーワードで絞り込む を除く