1 逃げ切れた夢 誰もが思わぬタイミングで迎える、人生のターニングポイント。北九州の定時制高校で教頭を務めている末永周平もその一人。毎日のように昼食に立ち寄る元教え子の南が働く定食屋で、周平は支払いをせず無言で立ち去ってしまう。定年を前にして、記憶が薄れていく症状に見舞われたために、これまでのようには生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? あんなに愛し合って結婚したはずの妻との仲は冷え切り、会話どころか目を合わせることもない。 ¥440 除外キーワードで絞り込む を除く