1 夜の鼓 鳥取藩御納戸役小倉彦九郎(三國連太郎)は、主君と共に参勤交代で在京すること一年二カ月の後、懐かしの国許へ向かった。彦九郎は江戸での加増を、一刻も早く家で待っている愛妻のお種(有馬稲子)に知らせようと心をはやらせた。帰国してしばらくたつと、彦九郎は何か周囲の変な様子に感づいた。義兄の政山三五平(殿山泰司)をたずねるが、妹のおゆら(日高澄子)も、義母のお菊(毛利菊枝)も、口を濁して語ろうとしない。彦九郎はそこで伯父の黒川又左衛門(東野英治郎)のところに行った。 ¥330 除外キーワードで絞り込む を除く