1 ホテルアイリス 寂れた海沿いのリゾート地――そこで日本人の母親が経営するホテルアイリスを手伝っているマリは、ある日階上で響き渡る女の悲鳴を聞く。赤いキャミソールのその女は、男の罵声と暴力から逃れようと取り乱している。マリは茫然自失で、ただならぬその状況を静観している。一方で、男の振る舞いに激しく惹かれているもう一人の自分がいて、無意識の中の何かが覚醒していくことにも気づき始めていた。男は、ロシア文学の翻訳家で、小舟で少し渡った孤島で独りで暮らしているという。住人たちは、彼が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと、まことしやかに噂した。またマリも、台湾人の父親が不慮の事故死を遂げた過去を持ち、そのオブセッションから立ち直れずにいた。男とマリの奇妙な巡り合わせは、二人の人生を大きく揺さぶり始める。 ¥440 2 セデック・バレ 第一部:太陽旗 1930年10月27日。台湾の山深き村で起きた事件……その真実を、いま世界が知る。 ¥330 3 セデック・バレ 第二部:虹の橋 日本、そしてアジア各地で大ヒットを記録した、世紀の問題作、第二部! ¥330 除外キーワードで絞り込む を除く