1 二つの季節しかない村 すべてにおいて屈折し、狭量で、尊大な美術教師が取るに足らぬと思っていた土地に、何を見つけ出すのか──トルコ東部、雪深いインジェス村の学校で美術を教えるサメット。教師というだけで、村人たちから尊敬され、お気に入りの女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、、同居している同僚のケナンと共に、セヴィムらに“不適切な接触”を告発される。同じ頃、美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。 2 雪の轍 世界遺産のトルコ・カッパドキアに佇むホテル。親から膨大な資産を受け継ぎ、ホテルのオーナーとして何不自由なく暮らす元舞台俳優のアイドゥン。しかし、若く美しい妻ニハルとの関係はうまくいかず、一緒に住む妹ネジラともぎくしゃくしている。さらに家を貸していた一家からは、思わぬ恨みを買ってしまう。やがて季節は冬になり、閉ざされた彼らの心は凍てつき、ささくれだっていく。窓の外の風景が枯れていく中、鬱屈した気持ちを抑えきれない彼らの、終わりない会話が始まる。善き人であること、人を赦すこと、豊かさとは何か、人生とは? 3 読まれなかった小説 前作『雪の轍』で第67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した世界的巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランが、知り合いの父子の物語に魅了され、自身の人生をも反映し完成させた本作。繰り返されるバッハの旋律、作家志望のシナンが訪れる書店に飾られたカフカやカミュの肖像や、チェーホフ、ドストエフスキーといった偉大な作家たちを感じさせる語り口……すべてが合わさり、崇高な文学のような映画に昇華されている。 除外キーワードで絞り込む を除く