1 今夜、世界からこの恋が消えても 透はクラスメイトに流されるまま、真織に嘘の告白を仕掛ける。しかし真織は“お互い絶対に本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れた。そうして始まった偽りの恋。やがて恋が偽りとはいえなくなったころ、透は知る。「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」真織はその日の出来事を日記に記録して、朝目覚めたときに復習することで何とか記憶をつなぎとめていた。その日ごとに記憶を失ってしまい、明日が来ることを恐れながら生きる彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかし透には真織に伝えていないことがひとつだけあった。 ¥440 除外キーワードで絞り込む を除く