1 オリーブの林をぬけて 『そして人生はつづく』の1シーンに登場した、地震の数日後に結婚したという若夫婦。だが実際に夫役を演じた青年ホセインは、以前、妻役のタヘレにプロポーズし断られていた。ふたりの過去を知ったキアロスタミは、このエピソードをもとに映画をつくることを決意。前二作に登場した村、そしてジグザグ道を舞台に、再び至福の映画が誕生した。結婚を諦めきれないホセインと、決して彼の言葉に応えようとしないタヘレ。果たして彼女の気持ちはどこにあるのか…? 映画内映画という入れ子細工のような構成のなかで、虚構と現実の境界線はどこまでも曖昧になっていく。映画製作の裏側で巻き起こるドラマをユーモアたっぷりに描き出す、キアロスタミ流ラヴストーリー。 ¥330 2 そして人生はつづく 1990年、イラン北部で起きた大地震は、『友だちのうちはどこ?』(1987年)を撮影した村にも容赦なく襲いかかった。地震後、キアロスタミは映画に出演した兄弟の安否を確認しに、息子を連れて被災地へ向かう。本作は、その時の経験をそのままに再現。撮影は地震から半年後に実際の被災地で行われ、監督役には当時イランの経済庁で働いていた男が抜擢された。「私の映画に出ていた子たちを知ってる?」。車に乗り、少年たちを探しまわる監督親子の奇妙なロードムービー。そこには、地震で崩壊した村の悲惨な現状がまざまざと映し出される一方で、人間のたくましさと生きることへの希望が刻まれている。『友だちのうちはどこ?』と『オリーブの林をぬけて』をつなぐ重要作。 ¥330 除外キーワードで絞り込む を除く