28歳の中国人女性、娜娜（ナナ）は予備博士生である。心理学を専攻し、人の心理を読み取るのはプロ並みだが、自身の心理把握には全く素質がない娜娜。最後だと思った論文がまた落ちてしまい、喪失感と虚しさで全ての意欲がなくなる。

その翌日、変なメールが届く。発信元が日本式の漢字で書かれた名前で、最初は迷惑メールだと思ったが…。開けてみると迷惑メールよりも衝撃的な内容が書かれていた。

「自分は日本人の事業家」と名乗る男の名前は会田武志。1年前に婚約者を失い悲しみに陥っていたが、偶然SNSで娜娜の写真を見て、自分の元恋人と余りにもそっくりだったのでメールを送ったというのだ。

一度、娜娜に会いたいという武志。娜娜は提案を受け入れ、日本行きの飛行機に身を託すが…。

劇中、娜娜はある招待に乗り、無計画に日本へ飛んで行きます。そこで全く予想もしていなかった男に出会い、自分でも知らないうちに妙な感情に巻き込まれていくことに…。

毎回、旅行は全て話を残す。毎回、夜明けは全て美しくはない。毎回、人生には全てしばらく止まるべき瞬間がある。

人生を一つの旅と考えるならば、必ず、速度を止め、休むべき瞬間があるのである。

その瞬間は夜明けを待つ直前のように暗くて寂しいけれど、必ず夜明けはやってくる、太陽は昇る。

暗い夜が過ぎ、必ずやってくる夜明けは、おそらくこの世の中でたった一つ残った「変わらない法則」であろう。だから私たちは暗闇に耐え、苦しくても耐える。

これは正に私たちが日常からしばらく離れ、「旅行」に出る理由である。

「この世には自分にそっくりな人が3人はいる」と言われていますが、劇中では娜娜と武志の元恋人・良子が瓜二つの顔だち！

最近、SNSを通じて、兄弟でもないし、親戚でもないにも関わらず、そっくりの人と出会ったという文を容易に見ることができる。

いったい、彼らは神からの祝福なのだろうか？ それとも神のいたずらなのか？どちらにしても、明らかなのは、彼らは選択を受けようとする者であろうということだ。

全ての選択に責任を負うように、耐えるべき定められた運命があるというのならば、その運命に従うか、それともその運命を拒否するか、もしも本当に世の中に、そっくりの人が存在するならば、彼らは見えない紐でつながっていて、それは一つの運命なのかも知れないという想像をしてみる。

劇中、武志はSNSで娜娜の写真を見て日本に来てほしいと、そして恋人の代わりに写真を何枚か撮って欲しいと提案します。

最近、携帯には撮影の機能があり、人々は食べ物、衣装、恋人など全てを写真に記録する。

写真は思い出を引き起こす良い媒体であるからだ。記憶は薄っすらだけど、写真は鮮明にその瞬間を伝える。

こういう時代に万が一あなたの恋人が写真を撮りたがらなければ？共にする全ての瞬間に、写真にはあなた一人だけ残っていたら・・

そして、その恋人がある時消えたら、あなたの愛もまた跡形もなく消えるだろう。思い出も滓かになり、記憶も、ある瞬間ぼんやりとした一人の男の話。それがこのドラマの始まりである。

もともと映画として制作された本作の原題は「君の顔を愛する：偶然 in Japan」で、監督は刘德甫（ユ・ドクホ）。日本だけではなく、韓国・中国・アメリカなど世界各国で映画館での上映やウェブドラマとして配信予定。

大分県の人気スポット湯布院を舞台にしており、撮影現場の楽しく和気あいあいとした雰囲気を垣間見ることができる写真の数々です。