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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』 第8回 恋のはじまりと終わり

朝方、ハワイに住んでいる友達からLINEが入った。
「めーちゃん、恋してる?」

あたしがドラマチックガールなのは間違いないが、
あたしの友達もまた、ドラマチックガールなのである。

友達はドラマを求めてハワイに行ってしまった。
日本でのドラマはもうやり尽くしたということらしい。

恋もセックスもたくさんして、結婚も2回して(離婚も2回)、
ハワイで「この人だ!」という人と出会って恋をして、3回目の結婚をした。

その友達が、彼との関係が「恋じゃなくなってしまった」と言う。

「そんなの結婚してるんだから当たり前じゃん!」って言うのは簡単。
確かに彼女は少し極端かもしれない。

だけど、あまりにもシンプルで、考えちゃう。
・・・恋??なんだっけそれ。笑

前も言ったけど、結婚っていうのはあくまで、生活を円滑に進めていくためのものだから、
ある程度システマティックにしなきゃいけないこともあるし、
毎日惚れた腫れたってやってられない。

わかりやすく言うと、二人が協定を結んでだね、よしがんばりましょう!
とお互いを支え合ったり励まし合ったりして、船を漕ぐ・・・みたいな?
もしくは、雪山で遭難して「寝るなー!寝たら死ぬぞー!」的な?
(結婚してるくせに曖昧な喩えでごめん!)

っていうのと、『恋』っていうのは、対極にある。
恋は、よく知らない人との間に発生する。
(そうだ、恋は発生するのだ。竜巻とか、台風みたいに。)
だから、「よく知ってしまった人」、もしくは「よく知らなければいけない人」
との間の恋というのは極めて少ない。

「昔からの知り合いでずっと友達ではいたんだけど・・・」
というところから恋人になる人もいると思うけど、それだってやっぱり
お互いの知らなかった部分に無性に惹かれてしまうからなわけで。

恋ってつまり、「もっと(あなたを)知りたい」と「もっと(あたしを)知ってほしい」が交互に絶え間なく押し寄せるエネルギーの塊みたいなものだと思う。

「恋してる?」ってか・・・笑

そうだね。
もしかしたら恋がずっと続くと思っている人もいるかもしれないけれど、
あたし達はもうそれなりに歳を取って、恋のはじまりも終わりもたくさん見てきちゃったからね。

恋の「はじまり」と「終わり」を描いて秀逸な映画がある。
『ブルー・バレンタイン』(監督/デレク・シアンフランス 2010年/アメリカ)
という映画で、大好きな映画です。
(ライアン・ゴズリング大好き!)
ブルー・バレンタイン

簡単にストーリーを説明すると、出会った時の恋する美しい二人と、
5年後の生活感溢れてにっちもさっちも行かなくなっている二人が交互に描かれる恐ろしい映画です。笑

あたしはこの映画を観たあと、2週間ほど立ち直れなかった。
怖くて、この映画みたいにならないようにするにはどうしたらいいか本気で考えた。
(あたしはそれを『ブルー・バレンタイン・シンドローム』と呼んでいる。)

映画館で観たんだけど、観に来ていたカップルが映画の途中でバタバタと席を立って出て行った。笑
それくらいインパクトのある映画だった。

脚本がなく、役者とのリハーサルを1年くらいおこなってほぼリテイクなしで撮ったというこの映画は、本当に奇跡のような素晴らしい映画なので、観ていない方はぜひチェックしてみてください。
ただし、好きな人とは絶対一緒に観ない方がいいです。
無言になるどころじゃなくて、結婚したいと思っている人は結婚が遠のきます!マジで!

そして、恋の「はじまり」を描いて秀逸なドラマ、
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(いつ恋)が、
このコラムがアップされる日にちょうど最終回を迎えます。
(もちろん恋だけではなくて、現代の社会問題とか生きにくさとかをとても丁寧に描いていて相変わらず坂元裕二さんの脚本が素晴らしいんですが!そして高橋一生さま!好きです!)

ああ、確かに。
あたしにもそんな風に、ドキドキしていた頃があったなあ。
眩しくて眩しくて、そっと大事に触りたくなるような恋があったなあ、と
ドラマの中で恋をしている人たちを見ることで、
もうそれが過去になってしまったことをありありと突きつけられた。

旦那さんのことはあたしが勝手にずっと好きなので、仲良しだねとかラブラブだねと
言われるし本当にそうだとは思うんだけど、それは恋とはまた違うものだ。

『恋』か・・・ため息ついちゃうくらいに美しいな。笑

ハワイの友達は「男の人にドキドキしたいんだ。」って言った。

そうだね。 男の人にドキドキしている時、あたし達はみっともないくらい女だよね。

そのドキドキする成分だけを抽出して、薄めないで、いつでも好きな時に取り出せたら、
一番いいのにね。
なんて、勝手なことを考えたりします。

散々痛い思いしてきたから、そんなことが無理なのは百も承知なんだけどね。

あたしもいつも、ドキドキしていたい。
女ってもしかして、ドキドキを食べて生きてるのかな?

◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay