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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』
第20回 愛されるよりも愛したい、というか愛させて


好きになった男にことごとく「重い」と言われる女だった。

遡れば保育園の時くらいまでいっちゃいそうなので、そこまで遡るのはやめておくけれど、
中学生の時は、好きな男の子の部屋の窓(1階)から見える場所にある公衆電話から
電話をかけて、「窓開けて室外機の上、見てみて!SPEEDのポスター置いておいたよ!」
(その男の子、絵理子が好きだったんだよね~。)と言うような女だった。
そして、「ねぇねぇ、あたし今どこにいると思う?」・・・ってホラーかよ!!

高校生の時は他校の演劇部の男の子に片思いしてたんだけど、ある日彼の先輩から
「あいつ今好きな子が他にいるから、悪いけど諦めてやってほしい・・・」(本人に頼まれた感じ)
という電話がかかってきたので、次の日学校にも関わらず授業を早退して
電車で2駅、駅から徒歩40分の彼の高校に乗り込んで、
授業が終わるまで4時間くらい校門で待ってたこともありました。
(これ別に付き合ってたわけじゃなくて全部片思いだからね。怖いよね。)

他には、これはちゃんと付き合ってた人の話だけど、18歳の時。
彼は相模大野に住んでいて、あたしは大宮に住んでいた。
お互いに大学1年生で一人暮らしだったんだけど、
何度電話しても出ないので、大宮から相模大野まで行きました。
最終電車くらいの時間にね。だからもうどうやっても朝までは帰れないの。

家に行ってみたけどいなかったので近所のコンビニで待ってたら、
彼がバイクで帰ってきたので、あたしは「お~い!!」とか言いながら走って追いかけたわけ。
彼、バックミラーであたしを確認してすっ転びそうになってました。
やっと止まってくれたと思ったら彼がバイクを降りて一言「・・・え?なんで?」

ってそりゃそうだよね。そりゃそう思うよ。
だけどこんなエピソードはいくらでもあって、キリがないです。
とにかく、好きになると愛情が『溢れちゃうBE IN LOVE』(by後藤真希)なので、
あたしに好きになられた男の人たちは、まあ相当に、大変だったように思う。(他人事)

しかしながら奇特な人もいて、それがいわゆるあたしの夫ということになるんだけれども、
出会ってから今の今まであたしの剛速球の球をね、ずっと見逃してるわけですよ。
もう、全然、バットすら振ってくれない。

だけどそうやって、あたしの球を打ってくれないことによって、
あたしはずっと球を投げ続けられるわけなんですよ。
今までの男の人たちはブンブンバット振ってどっか飛んでっちゃったり、
空振りになってしまって、すぐにアウトになっていたのだ。
要するにあたしは、それ以上球を投げさせてもらえなかった。
(ちょっとあたし野球詳しくないのでこの喩え合ってるかどうかわかんないんですけど。笑)

そう、あたしは、ずっと「好き」の球を投げ続けたい女なのだ。

これは、他の女の子たちに聞いてみないとわからないのだけれど、
みんなは「愛したい」のか、「愛されたい」のか、どっちなんだろう。

最近すごく思うのは、女って「愛する」とか「愛でる」ことが
男の人よりも上手なんじゃないかってことだ。
(もちろん全員が、とは言わないけれど)

子どもたちが集まって遊んでいるところを見ててもそう思うわけ。
女の子はもう4歳とか5歳くらいで、下の子のお世話をするのが本当に好きなんだ。
服のボタン留めてあげたりさ、靴履かせてあげたりさ。

そして男の子たちはね、お世話されたり、愛されるのがとても得意だと思う。
「愛する」ことよりも絶対、「愛される」ことに秀でてるね、彼らは。
その本質は大人になってもあんまり変わらないような気がする。

だけど、男は男でジェンダーに絡めとられていて、
大人になると、女を「愛する」ことが一人前みたいに思いこまされてる節もある。
そして「愛される」ことを怖がる男の人が多い。

だけど、男なんて元々そんな能力は備わってないのも同然なんだから、
無理に愛そうとなんかしないで、愛されるがままになってたらいいのになと思う。

女が愛されるのを怖がるのは、そこにセックスが付随してきた時に、
(自己肯定感が低い女の子は特に)自分のセックスにしか価値がないと思っちゃいがちで
自分という人間そのものを自分自身で肯定できないからだと思うんだけど、
男が愛されるのを怖がるのはなんでなんだろう。
女にコントロールされてるような気になっちゃうっていう、やっぱりジェンダーの問題かな。

女もそうだけど、男もそこらへんのジェンダーから解放されると、
もっと楽になるような気がするけどね!

これはあたしがたびたびコラムで触れてきたテーマのひとつの答えになるんじゃないかと思うんだけど、
(第4回「女を持ち出す場所」や第13回「ファンタジーとしての男」で。)

女は『愛させてくれる』男を探してるんじゃないかな。

だからこそ自分の「好き」をどれだけぶつけても、
怖がったり怯んだりしない男=ファンタジーとしての男
(アイドルや役者やミュージシャンやホスト)
を求めているのではないか?と思うのです。

愛されるよりも愛したい、っていうかとことん愛させてほしい。

これが、今のあたしの本音です。




◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay