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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』
第25回 チークダンスを取り戻す

どういうわけか昔から、踊る男が好きだ。

クラブ?CLUB?なんかでチャラチャラしてる男は決して踊ってるとは言わない。
批判するわけではないが、EXILE系ともちょっと違う。

女の手を取って、女の目を見つめて踊ってくれる男のことだ。
そんなやついないよって笑うなら笑ってくれよ!

でもね、あたしは今までそういう男と何人か出会ってきたんだよ。笑
そういう男が好きだから、そういう男を引いてしまうのかな?

物心ついた時から、大人になったら男女は踊るものだと思っていた。
それが当たり前だと思ってたし、それが美しいと思ってたし、とても憧れていた。

そう思うようになった一番初めのきっかけはもしかしたら
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』かもしれない。

みんな覚えてる!?ラストシーンで出てくるプロムのシーン!

それからどれくらいの映画で、ドラマで、プロムのシーンを目にしてきただろう。
プロムとは高校最後の年に開かれるダンスパーティのことで、
男女ともタキシードやドレスなど正装をしてペアになって参加する。
パーティの最後にはプロムキングとプロムクイーンを決めるんだよね。
ただ、男女ペアという決まりのために、楽しめない人がいるのも事実。
(オクテだったり、モテなかったりね。同性愛者だったりとかね。)

あたしの大好きなドラマの『セックス・アンド・ザ・シティ』
LGBTのプロムを開催するっていうエピソードがあって、
キャリーの親友のスタンフォード(ゲイ)が「あたしだってクイーンになりたかったわよ!」
って言うの。
そのプロムで選ぶのはクイーン&クイーン!最高!

いいなあ・・・あたしも高校時代にやりたかったな・・・プロム。
(そもそも女子高だったから無理なんだけど!)

あと、映画によく出てくるのは、結婚式でみんながチークダンスを踊ってるシーンね。
新郎新婦と、それから列席者と。おじいちゃんもおばあちゃんもみんな。
これにもものすごく憧れてました。

そしてその憧れを抱いたまま大人になったけど、大人になったからといって男女はあまり踊らないのだ、ということを知った。

悲しかった。

え?日本の結婚式ってダンスないの?
チークダンスはどこに行ったら踊れるの!?
(今度ググってみます!)

あたし、ダンスっていうのはやっぱり、セックスの手前にある身体的なコミュニケーションだと思うのね。

たぶん六本木とかのCLUBに行くと外国人がいっぱいいて、体を密着させて踊ってくるはず。
でも、相手が外国人ならペアダンスを踊ったことのある人もいるかもしれないけど、
相手が日本人となると、この数はガクッと減ると思う。

このコラムでもたびたび取り上げさせてもらってる、『日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』
の著者でもある著述家の湯山玲子さんが言ってることなんだけど、
日本人て、身体的なスキンシップが母親とのベタベタからいきなりセックスなんだよね。
湯山さんの時代にはフォークダンスもあったし高校生の頃はディスコでみんなチークダンスを踊ったんだって。

あたしが中学生の時にもフォークダンスというものがかろうじてあったんだけど、
今ってどうなってるのかなあ?と思って20歳の友達に聞いてみたら、
「フォークダンスって男女でやるやつでしたっけ?」だって・・・なんてこった!!

ねえどうすんの!?
これじゃ本当にまるで、何もないか、セックスか、の2択になっちゃうじゃん!

『ダーティ・ダンシング』という映画を観たことがありますか?
1960年代初頭のアメリカ、
みんなから「ベイビー」と呼ばれているニューヨーカーのフランシスは
裕福な家族とともに家族向けのリゾート避暑地にやってくる。

そのリゾートで滞在者向けにダンスを教えるインストラクターのジョニー(お嬢さまのベイビーとは違う世界の野性的な男って感じ!)に惹かれるベイビー。

ベイビーは皆が寝静まったあとに、従業員たちが開いていた秘密のダンスパーティに迷い込む。
そこで男女が踊っていたのは、体を密着させて踊る官能的なダンス、
『ダーティ・ダンシング』だった。(どうやらマンボのことを指すらしい)。

ジョニーの相方の女性ダンサーの代わりにステージで一緒にダンスを踊ることになったベイビーは、
毎日ダンスの特訓をする中でどんどんジョニーに惹かれていく。

ステージを無事成功させた夜、ジョニーの部屋で二人はプライベートなダーティダンシングを踊り、そのまま一夜をともにする
そのダンスの、なんと色っぽいことか。

ていうかもう、ほぼ、セックスですよ。
ダンスはね、セックスと一緒。

ちゃんと目を見て呼吸を合わせて、どっちの足を出すのか、前に行くのか後ろに行くのか、
相手を感じるの。相手を信じるの。

男たちにダーティ・ダンシングができるようになれとは言わないから、
せめてチークダンスを踊る文化を取り戻したい。

グッドミュージックに包まれて、男の肩にもたれて踊るダンス。

セックスの手前にあるダンスを、もう一度、何度でも、あたしは踊りたいんだよ。


◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay