曇天に笑う<外伝>~桜華、天望の架橋~ 長男、天火が大津を離れ、空丸と宙太郎が家名を継ぐ重さを実感し始めた頃。鍛錬に励む空丸と武田を、尋常ならざる何者かが襲撃する。男の力と身のこなし、そして笑い方は、天火とどこかで似ていた。しかも、その体には大蛇の鱗が・・・。男の手がかりを追うなかで、思わぬ秘密を知る空丸たち。そんな彼らの前に、蒼世と鷹峯が立ちはだかる。政府への膨らむ疑念。去来する過去。互いの譲れない思いがぶつかり合う。そして空丸は知る。あの男もまた、かつての自分と同じだということに。 ¥440 曇天に笑う<外伝> ~宿命、双頭の風魔~ かつて天火に金城白子と名付けられた男。彼は大蛇復活を宿願とする風魔一族の頭領であり、双子の弟と二人で、十代目風魔小太郎として一族を束ねてきた。忌み子とされる双子として生まれ、本来は片方が殺される定めだった兄と弟。二人は互いを自分自身のように思いながらも、心の奥底では互いが持ち得ぬものを切望しあう。同胞の屍の山を築き、その頂きで長の座を得た二人が、本当に得たかったものとは―。宿願は果たせず、半身たる弟も失った白子の胸中に、風魔の里での日々が泡沫のように浮かび上がる。 ¥440 曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~ 三百年に一度蘇る魔物・大蛇復活の十一年前。歴史の裏で国を護ることを志した者たちがいた。それは大蛇討伐のため結成された部隊・犲(やまいぬ)。曇家当主・大湖が師範を務めるその隊には、天火だけでなく、天火の盟友・安倍蒼世、佐々木妃子らの姿もあった。だがある事件をきっかけに、天火は志を同じくした犲たちと、道を分かつこととなる。部隊に属したままでは、護れぬものがあったから──。明治十二年。大蛇が滅び、晴れ渡る滋賀の空の下で、犲と曇兄弟たちは天火の秘めたる思いを知る。 ¥440 除外キーワードで絞り込む を除く