1 虐殺器官 9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は、自由と引き換えに徹底的なセキュリティ管理体制に移行することを選択し、その恐怖を一掃。一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。世界は大きく二分されつつあった。 クラヴィス・シェパード大尉率いるアメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は、暗殺を請け負う唯一の部隊。戦闘に適した心理状態を維持するための医療措置として「感情適応調整」「痛覚マスキング」等を施し、更には暗殺対象の心理チャートを読み込んで瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして世界各地で紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。 そんな中、浮かび上がる一人の名前。ジョン・ポール。数々のミッションで暗殺対象リストに名前が掲載される謎のアメリカ人言語学者だ。彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、そして半年も待たずに内戦、大量虐殺が始まる。そしてジョンは忽然と姿を消してしまう。彼が、世界各地で虐殺の種をばら撒いているのだとしたら・・・。クラヴィスらは、ジョンが最後に目撃されたというプラハで潜入捜査を開始。ジョンが接触したとされる元教え子ルツィアに近づき、彼の糸口を探ろうとする。 ルツィアからジョンの面影を聞くにつれ ¥330 2 アリスと蔵六 彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。 初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。 そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。 名前は紗名(さな)。 “研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。 しかも、あらゆる想像を具現化する——「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の持ち主でもあった。 そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。 名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という 頑固じいさん。 そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。 紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との 出会い……。 世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、 世界の本当の姿を知ることになる。 ——そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。 ¥220 無料あり 除外キーワードで絞り込む を除く