1 今夜、世界からこの恋が消えても 透はクラスメイトに流されるまま、真織に嘘の告白を仕掛ける。しかし真織は“お互い絶対に本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れた。そうして始まった偽りの恋。やがて恋が偽りとはいえなくなったころ、透は知る。「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」真織はその日の出来事を日記に記録して、朝目覚めたときに復習することで何とか記憶をつなぎとめていた。その日ごとに記憶を失ってしまい、明日が来ることを恐れながら生きる彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかし透には真織に伝えていないことがひとつだけあった。 ¥440 2 街の上で 下北沢の古着屋で働いている荒川青(あお)。青は基本的にひとりで⾏動している。たまにライブを見たり、⾏きつけの古本屋や飲み屋に⾏ったり。口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、⾏動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「⾃主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。 ¥440 除外キーワードで絞り込む を除く