1 その花は夜に咲く 1998年のサイゴン。都会の片隅に貧しくもつつましく生きる恋人たち。望まぬ性に生まれたサンはナイトクラブで歌い、ナムはボクサーとして懸命に暮らしていた。ある日、街のフィクサー、ミスター・ヴーンがナイトクラブに現れ、ステージで妖しくも華麗に歌うサンに目が釘づけになる。手術費用のため、ヴーンと逢瀬を重ねるサン。彼女を愛し、その思いを知るナムは、より稼ぎの良い闇の地下格闘技に手を染めてゆく...。容赦ない夜の世界に飲まれてゆく二人。愛ゆえにすれ違う二つの魂。 2 第三夫人と髪飾り 19世紀、北ベトナムの絹の里。14歳のメイは、その地を治める大地主のもとに三番目の妻として嫁いでくる。若き第三夫人が一族にやってきたことで、女たちのドラマが動き出す。父権社会で男児を産むことが女の唯一の務めであった時代、女たちは何を思い、生きたのか。初夜の儀、甘美な秘めごと、禁断の愛など、エロティックな描写さえも絵画的な美しさを湛え、観る者を陶然とさせる。 除外キーワードで絞り込む を除く