脚本: 吉田喜重(よしだよししげ) 【アプリでDL可】 【iOS】
ろくでなし ろくでなし
初夏のオフィス街を、大学生の秋山俊夫(川津祐介)は高級乗用車を走らせていた。同乗している北島淳(津川雅彦)、森下(山下洵一郎)、藤枝(林洋介)もみな大学四年生だ。彼らは銀行帰りの郁子(高千穂ひづる)の前に車を止めた。彼女は俊夫の父秋山物産社長(三島雅夫)の秘書である。郁子を無理に乗せ、淳と森下は金を奪った。俊夫はやがて「遊びもこれまでだ」と金をかえすよう命令した。郁子は「大学までいっててロクデナシね」と言い捨てて降りた。ブルジョワ息子の俊夫と藤枝は盗むことに快感を得、森下はその金に誘惑を感じ、淳はなんの興味もなかった。--数日後の夕刻、郁子は同僚の篠原(渡辺文雄)から映画に誘われ困惑していた。待っていた淳は、篠原を無視して強引にパーティに誘った。会場に行くと、大きな拍手が起こった。
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血は渇いてる 血は渇いてる
東洋毛織で社員のクビ切り通告があった時、社員の木口(佐田啓二)は皆を助けようとして拳銃自殺を図った。木口は老社員・金井(織田政雄)の機転で一命を取り止めた。この事件は、クビ切り争議と自殺という社会問題として報道された。昭和生命の宣伝広報課に勤めている野中ユキ(吉村真理)は、木口を生命保険の宣伝に利用しようと考えた。木口にコマーシャル・タレントになってくれと頼んだが、断られた。しかし、ユキは金井を抱きこみ、木口とコミで使うことにし、生活の不安を訴えている木口の妻をクドくことで木口を動かすのに成功した。昭和生命のビルには、木口が拳銃をこめかみに当てている写真がかけられ、通行人の目を見はらせた。ユキはまた、学生時代の友達で週刊誌の記者をしている原田(三上真一郎)に木口を売りこんだ。原田は木口の自殺は狂言自殺だといい、断った。
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