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ロスト・ハイウェイ リストア版

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サックス奏者フレッドは、妻を殺した容疑で投獄されてしまう…。現実が溶けて行く恐怖のリンチ・ワールド。

ある朝、ジャズ・ミュージシャンのフレッドがインターホンに出ると、「ディック・ロラントは死んだ」と言って切れた。ある日、フレッドと妻のレニーは、玄関前に包みが置かれているのに気づく。中にはビデオテープが入っており、二人の家の玄関先が映っていた。次の日、2本目のテープが届く。そのテープには二人の家の内部-リビングを抜けて、二人の寝室に移動し、眠る二人が映っていた。ある日パーティーで、フレッドは白塗りの謎の男(ミステリーマン)に会う。 謎の男はフレッドに歩み寄り目を大きく開けて、「前にお会いしましたね...」「お宅です..あなたの家です...」「ご記憶は?」「今も実際にあなたの家にいますよ...」「私の電話でご自宅に電話をしてみてください...」「早く...」すると、電話からは目の前に立っているはずの男の声が聞こえるのだった。

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ロスト・ハイウェイ リストア版の評価・レビュー

3.8
観た人
6416
観たい人
6431
  • 4.0

    raintreeさん2021/12/04 13:35

    処女作『イレイザーヘッド』(1977年)から代表作として名高いTVドラマ『ツイン・ピークス』(1990-1991年)に至るまで、デヴィッド・リンチの世界にはいつも魔界に通じる道があります。そして魔界はやがて「あちら側」から「こちら側」へと反転することになります。

    物語や映画を作るときに用いられるmetaphor(メタファー)という概念がありますが、simile(シミリー)と対比するように捉えられています。日本語にするとメタファーが暗喩(あんゆ)となり、シミリーは 直喩(ちょくゆ)となります。またそれぞれの用い方としては、暗喩は「扉を開けるとそこには一輪の花が咲いていた」となり、直喩は「扉を開けるとそこには一輪の花が咲くように彼女が立っていた」となります。

    つまりある象徴性を持たせたうえで、それが象徴であることを説明したものが「直喩」となり、説明しないものが「暗喩」となります。ですから直喩の場合はその象徴が現実世界のものごとと1対1の関係で結ばれるのに対し、暗喩の場合は1対1の関係を解(ほど)くように自立しながら、他の喩(ゆ)と響き合うような世界を形成することになります。

    優れた物語は必ず暗喩のほうを用いています。

    たとえば『ガリヴァー旅行記』(ジョナサン・スウィフト著, 1726年)はすべて暗喩で書かれています。小人の国・巨人の国・飛ぶ島・馬の国など様々な異界へと航海していく船員ガリヴァーが遭遇した出来事は、当時のイギリス社会を風刺したものとされておりまた実際にそうなのでしょうが、物語としての生命力は実社会と1対1の関係で結ばれては「いない」点にこそあります。

    そのため暗喩で表現されたものに説明を加えることは、直喩へと下位互換(かいごかん)するようなものだろうと思います。僕が解説を嫌う理由はここにあるのですが、分からないなら分からないままに自立した世界として暗喩を引き受けたほうが、体験としては豊かだろうと思います。

    そしてデヴィッド・リンチもまた、暗喩を暗喩のままに描いた映画監督のはずです。



    この『ロスト・ハイウェイ』はデヴィッド・リンチ作品のなかでも難解とされているようですが、系統的には遠くにヒッチコックの『めまい』(1958年)を継承しながら、近くには『メメント』(クリストファー・ノーラン監督, 2000年)や『マシニスト』(クリスチャン・ベール主演, 2004年)へとつながるサイコスリラーになるだろうと思います。

    いずれの作品にも「信頼できない語り手(Unreliable narrator)」が登場します。『メメント』と『マシニスト』では直接的に主人公がそうですし、『めまい』の場合は愛する女性への喪失感から、間接的に主人公が同様の状態に追い込まれていくことになります。

    ミステリー(謎)には必ず謎解きがありますので、この3作品にははっきりとしたトリック(仕掛け)があります。しかしながら本作の場合にはトリックのような明確なものがなく、ほとんどミッシングリンクのように魔的な装置と溶け合っているため、解き明かすことは不可能になっています。また解き明かすことには、ほとんど意味がないように僕には思えます。

    話の大筋としては、妻(レネエ)の浮気を疑って殺した夫(フレディ:サックス奏者)が、逮捕されたのち別人物のように振るまいながら不倫相手2人を殺して逃走するというもの。動機も筋が通っていて、たいへんシンプルな話です。難解とされるのはその意味のなさを知りながら、それでもとこだわりたくなるからかもしれない。

    以下、僕なりの観方でネタバレしますので未鑑賞の方は避けてください。



    刑務所に入るまではフレディの「記憶」を僕たちは見ていたことになります。ただし「いつの時点」での記憶かは伏せられている。さらにその記憶は現実と捏造を交えて再現されています。

    インターホンの声:
    ラストシーンと円環していくような、ミッシングリンクにするためのリンチ的な遊びだろうと思います。映画内の話としてはラストシーンの後に捏造された記憶だろうと思います。

    ビデオテープ:
    妻殺しの記憶が蘇ってくる心理的現象。

    2人の刑事:
    実在はしていてフレディの家を訪ねたのも事実。細かいやりとりは記憶の捏造。

    妻レネエ:
    ビデオテープのやりとり以外はすべて現実(公演にこない・セックスに失敗する・パーティーに出かける・隠された過去など)。

    白塗りの男:
    フレディのなかの心理的幻影。

    アンディ:
    実在する妻の不倫相手(パーティー会場で白塗りの男に言及するのはフレディの記憶の捏造)。

    そして逮捕され第1級殺人の有罪判決を受けたのち、フレディは独房に入れられピートに変身する。しかし本当に変身したわけではなく、実際には何らかの理由で釈放されたのだろうと思います。フレディの内的な問題としてピートに変身しなければならなかったのは、それまでの自分や妻殺害への罪悪感から逃れるためだった。

    第1級殺人の有罪判決についても、現実にあったことではなく自身の心の声だった可能性もあります。また「極東では専用の牢屋に入れられる」と言った白塗りの男の発言から、独房自体がフレディの幻影だったかもしれない。このあたりの虚実をない混ぜにする手法に関しては、『マルホランド・ドライブ』(2001年)ではもっと明瞭に描かれることになります。

    フレディとピートの対称性からも変身の動機ははっきりしています。

    ミュージシャン(ホワイトカラー)/整備士(ブルーカラー)
    セックスに弱い/強い
    孤独/家族や友人に囲まれている

    そのようにフレディは釈放後の生活を心理的にはピートとして、実際には映画に描かれない何らかの形で送っていたのだろうと思います(だから整備工場などはすべて捏造)。しかしマフィアのエディ(ディック・ロラント)と何らかの形で出会ったのは事実で、妻の幻影をアリスとして見てしまう(アリスは恐らく実在しない)。

    恋人のシーラについては釈放後に付き合った女性で、実在はするものの細かい描写は記憶の捏造(ピートのような人格で付き合いながらも、妻の幻影にとらわれてからは冷淡になる)。ピートの両親は捏造。愚直に息子を思う親は彼にとっての理想だったのだろうと思いますし、釈放後に身をよせた場所に捏造したモデルとなる夫婦がいた可能性はあります。

    ずっと監視している刑事は実在する(ただしピートを監視しているというのはフレディの記憶の捏造)。アンディとエディを殺害したのは実際の行為(しかし細かいやりとりはすべて捏造)。アンディ殺害現場の指紋がピートのものだったのも記憶の捏造(実際にはフレディのものだったはずですし、ピートとして生きているからには指紋はピートのものでなければならなかった)。

    砂漠の小屋もアリスとのセックスも幻影。その後フレディに戻るのは心理的現象で、妻レネエの裏切りがフラッシュバックして、ピート/アリスという幻影が壊れたため。

    その後フレディとしてエディを殺害し、インターホンで「ディック・ロラントは死んだ」と告げ刑事に見つかり逃走する(映像的にはピートからフレディに戻っていたため、アンディ殺害の容疑によって)。



    人によっては部分的に捉え方は異なるでしょうけれど、実際にあったこと/記憶の捏造/心理的幻影という3つの要素が錯綜しているため、真相はいかようにも解釈できますしまたそれゆえに意味がないと僕には思えます。

    むしろ重要なのはこの「錯綜」している感覚のほうにあるはずです。

    錯綜を通して描かれるデヴィッド・リンチのこの魔的な暗喩は、現実世界とは切り離されるように並行世界として生きています。ですから砂漠の小屋の炎上を逆再生する手法や白塗りの男の闇の存在など、素晴らしくリンチ的に描かれた暗喩を、暗喩のままに受け入れることこそが正統的な観方だろうと思います。

    そして重要なのはデヴィッド・リンチにとっての暗喩とは、必ずしも「喩(ゆ:たとえ)」とは限らないということです。暗喩は暗喩の世界として自立して命を宿しているような感覚がこの人の作品にはいつもあります。彼にとっての魔界とはそうした意味を持っているように感じられます。

  • 4.0

    トム子さん2021/12/03 08:39

    夢と現実が入り混じってて訳わからんくなるゾワゾワ感がなぜか心地よい〜。どゆこと?の連続でどんどん引き込まれる感じ。リンチの接写好き!

  • −−

    なむさん2021/12/02 20:27

    音楽がばっちばち!
    既視感のオンパレードだから、バカな私でも人と場所と名前が覚えられてほっとした


    夜の砂漠の風の吹き方が良い。デューンのはちょっとうざかった
    でも裸にはなりたく無い痛そう

    なんか頭の中で迷子になった感覚になるからリンチ好き
    一瞬どっか飛んでしまう

  • −−

    希望さん2021/11/27 01:25

    青い閃光が意味ありげだったけどわかめ
    理解するものではないのだろう
    3割くらいの理解で進んでく物語なのにちゃんと最初の謎を回収したラストですげーってなったけど何が凄いのかも理解できてない(?)

  • 3.7

    c5さん2021/11/21 12:26

    ◯デヴィッド・リンチの難解サスペンス。でも煽り運転だけは絶対にしてはいけないということがよくわかった。

  • 3.9

    秋乃ゆにさん2021/11/11 22:31

    あおり運転した人に交通安全の本を買え!とブチギレるシーンと、食事にいきましょと誘われオーケーしたら食事は省きましょって言われるシーンはマジでクソワロタ。
    というかファーストシーンからの不穏すぎる演出もめっちゃおもろかった。「ディックロラントは死んだ」ってインターホンから聞こえたというシーンなだけなのにめちゃくちゃ追い詰められててもうこれラストなん?って感じになっててほんまにおもろかった。
    ずっとおもろかった。すーごい。この緊張感。すーごい。

  • 3.8

    nekonekoさん2021/11/10 00:00

    デイック・ロラントは死んだ…
    オープニングからゾクゾクとドキドキ

    フレディ(ビル・プルマン)とレネエ(パトリシア・アークエット)夫婦が暮らす🏡家に謎のビデオ📼が続けざまに届く…
    (あの映画のように中から出てきたらどうしようなんて…脳が揺さぶられた笑💦)

    前半はフレディ編
    後半はピート編

    ミステリー?スリラー?ラブロマンス?ブラックコメディ?わかりません💦

    極限状態に置かれたフレディの妄想?
    多重人格だよね?

    フレディが妻レネェにゾッコン💓過ぎたための喜悲劇…?
    ちょっと私も頭痛が…笑💦
    もっかい観たらもっと伏線に気づくかなぁ…

  • 4.6

    スチールシャフトさん2021/11/09 17:43

    こちらも公開時、劇場で観ました。
    その後も合わせて3回は観ているのに、やはり時が経ちすぎて忘れていたので、改めて楽しく鑑賞。
    当時私はマリリンマンソンが大好きでしたので、そのマリリンマンソンがチョイ映りしてるのも楽しみの一つ。マリリンマンソンの当時メンバーであるツィギーラミレズも映っていて可愛い🤔当時の尖った音楽がサントラとして使われているのもアガります。マリリンマンソンが一番シュッとしていた時期ですね(失礼)。

    こちらも解説読まないと理解できないですし、しかも検索すると説が色々出てくるので、自分の中で何がしっくりくるか練っていくのが楽しかったですよ。
    リンチは感覚的ではあるけれど、感覚だけでなく彼の創った完璧な構造があるところが画を強くしているんだと思います。

  • 3.0

    ぽちさん2021/10/25 04:10

    リンチ監督の作風の根底でもあるシュルレアリスムが爆発している作品で、ダリの絵画を眺めるように観ると雰囲気を楽しめる作品。

    心的オートマティスムなので元々他人が理解する事自体不可能だし無意味。
    それが分かっていると滅茶苦茶な作風の中にも、最低限のエンターテイメントを入れているリンチ監督の才能を感じる事が出来る。

    エロ、グロから笑いまでごった煮なので、各シーケンスを個別に楽しむべきだろう。
    個人的には昨今日本でも問題になっている「煽り」シーケンスはかなり笑えた。

    惜しいのは一人二役ヒロインのパトリシアがイマイチ萌えないところか。っていうか似てるんだよ則竹裕之(元T-SQUAR)に。

    意味のない深読みとか、ストーリーの整合性を考えずに、感じる事がすべての作品。

    「どんっ すぃんく ふぃぃぃ~る!!!」(ブルース・リー調)

    余談。
    まずリンチ監督作を観る前に最低限の知識として「シュルレアリスム」は理解しておいた方が良いと思う。

    「思考の真の動きを表現しようとする純粋な心的オートマティスム。理性による監視をすべて排除し、美的・道徳的なすべての先入見から離れた、思考の書き取り」

    なんか、めんどい言葉が羅列されてるけど「心的オートマティスム」が分かるとイメージしやすい。

    「霊媒や霊能者、チャネラーなどと呼ばれる人々が無意識的にペンを動かしたり語り始めたりする現象」

    これ自体はイカサマなのだが、その風景は想像しやすいと思う。
    そんな感じに作られた作品が「シュルレアリスム」でリンチ監督作の根底にはこれがある。

    なので、理解とか意味が無い。感じるだけでよいのである。

  • 3.0

    いつきさん2021/10/25 03:09

    友人と鑑賞。

    色々な考察が出来る余地を残している映画だと思います。
    どれが正解とかない気がする…

    個人的には「これ」って思うストーリーがあります。
    もう「寝れない」「頭痛い」で最初から怪しいです。笑

    時系列もたぶんぐちゃぐちゃなので、ちょっと理解しようとすると難しいかもしれません。
    もう1度見るとかでもないなぁ…

    最初から最後までモヤッとしているので、スッキリ見たい方には向いていないかもしれません。

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    ※ニックネームに(エンタメナビ)の表示があるレビューは、2016年11月30日までに「楽天エンタメナビ」に投稿されたものを掲載しております。

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