1 果てしなき情熱 引揚者の三木太郎は天涯孤独の作曲家で、薄汚いアパートの部屋と三文キャバレーだけが彼の世界であった。キャバレーの歌手・福子と給仕のしんはひそかに三木に恋心を抱いていたが、三木には小田切優子という信州の片田舎で出会った忘れられない人がいた。気持ちを紛らわすため酒に酔っていた三木は、道端で突然女の悲鳴を聞く。短刀を片手にした暴漢が女に迫っていたのだ。その様子を見て三木はびっくりした。その女とは、あの優子だったのだ・・・。 ¥330 2 現金と美女と三悪人 強盗犯の栗田は、港の酒場女・カツミを連れ北海道行きの船で逃亡を図っていた。カツミは金に縛られ栗田と同船したものの、野蛮な彼に全てを許したわけではない。栗田には、北海道の山中へ逃げ込んで手にした大金でカツミと楽しく暮らしたいという想いがあった。そんな栗田のもとに千葉という男が栗田の犯罪を嗅ぎつけ現れる。千葉はしつこく栗田に付きまとう。やがて北海道に着き、栗田は山奥にある大木の根元に大金を隠し、千葉は毎日のようにシャベルを持ってその金を探し回っていた。栗田と千葉の対立は日々激化、金に憑りつかれた二人は獣のように争うのだった。そんな中、ついに千葉は大金の隠し場所を発見する・・・。 ¥330 3 三百六十五夜 新聞広告に掲載されていたとある屋敷の同居人募集記事に応募し、その令嬢・照子と相思相愛の中になっていた大阪出身の小六。小六の父親は、破産手前にある自身の会社・川北組を新興成金の小牧雄造からの資金援助で助けてもらおうと、小六に執拗に付きまとっていた小牧の娘・蘭子と政略結婚させようと企んでいた。小六はそれが嫌で東京へ逃げてきたのだった。お人よしの照子は、小六と川北組を助けるため屋敷を抵当に入れようとするが、頼んだ相手が運悪く、小六を蘭子の恋敵と妬む小牧商事の支配人・津川で、怪しげな契約書を取り交わし小切手を受け取ってしまう・・・。 ¥330 4 銀座化粧 津路雪子は銀座裏のバー・ベラミイに勤めている女給である。人情的で心が清らかな雪子は、一人息子の春男と二人暮らしをしている。雪子が勤めているバー・ベラミイの中では色々な人生が咲いては儚く散っていく。彼女の昔からの友人・静江は現在二号生活をしているため、雪子よりも裕福である。しかし突然、戦争中静江が疎開していた村にいた石川青年が静江を訪ねて上京することになる。ワケがある様子の静江は仕方なく石川の案内役を雪子に依頼する。雪子は春男と動物園に行く約束を破り案内役を引き受ける。しかし雪子は石川の朴訥な人間味に不思議な魅力を覚え、徐々に惹かれていく。雪子の中の母と女が激しく争うがその結果は…。 ¥330 5 あの手この手 可愛くって、無鉄砲で、純情型で行動派なアプレ娘、その名はアコ!アコの行くところ、微笑、哄笑、泣き笑い! ¥220 除外キーワードで絞り込む を除く