血は渇いてる 東洋毛織で社員のクビ切り通告があった時、社員の木口(佐田啓二)は皆を助けようとして拳銃自殺を図った。木口は老社員・金井(織田政雄)の機転で一命を取り止めた。この事件は、クビ切り争議と自殺という社会問題として報道された。昭和生命の宣伝広報課に勤めている野中ユキ(吉村真理)は、木口を生命保険の宣伝に利用しようと考えた。木口にコマーシャル・タレントになってくれと頼んだが、断られた。しかし、ユキは金井を抱きこみ、木口とコミで使うことにし、生活の不安を訴えている木口の妻をクドくことで木口を動かすのに成功した。昭和生命のビルには、木口が拳銃をこめかみに当てている写真がかけられ、通行人の目を見はらせた。ユキはまた、学生時代の友達で週刊誌の記者をしている原田(三上真一郎)に木口を売りこんだ。原田は木口の自殺は狂言自殺だといい、断った。 ¥330 酔っぱらい天国 日本鋼材の会計課長渥美耕三は十年前に妻を亡くし、一人息子の史郎との二人暮し。二人とも大変な大酒のみである。耕三は近所に住む長谷川きみが、夫の清の酒のことで相談にくると、「酒は静かにのむべきだ」と説教するが、彼自身はのむとがらりと人が変ってしまう。先日も、のみ友達であるトップ屋くずれの小池と二人で泥酔、酔っぱらい保護センターに保護される仕末だ。ある日、史郎は突然結婚すると言い出した。相手は看護婦をしている桜井規子だと言う。史郎はどうしても結婚したいため赤ん坊ができていると嘘まで言った。その一言に耕三は渋々、規子に会った。喜んだ史郎は友人の森山とのみ歩いた。森山はバー、ベンハーの女給節子に惚れていた。 ¥330 田園に死す 寺山修司が自身の代表的歌集「田園に死す」を映画化。この歌集の主要な作品を随所にちりばめながら、寺山の少年時代を回顧した自伝的色彩の濃い作品。子供時代の母親との関係や、さまざまな出来事の回想・イメージが、映画監督になった現在の“私”にモザイク的に襲ってくる。サーカスで見た空気女、怪力男、一寸法師、蛇使いの女。恐山の巫女、父親の霊。隣に住む美しいお嫁さん、化鳥と駈け落ちする夢、馬小屋で出産する若い女・・・。“私”は、二十年前の自分と一緒に過去をひとつひとつ検証していくが・・・。 ¥330 TATTOO<刺青>あり 大阪で実際に起きた三菱銀行たてこもり事件を、ピンク映画界で活躍してきた高橋伴明が監督し一般映画デビュー。破滅的にしか生きられない主人公を宇崎竜童が熱演し、高い評価を得た。少年院あがりの明夫は「30歳までに何かドでかいことをしてやる」と決意して、胸に刺青を入れ、キャバレーのボーイとなる。店の売れっ子ホステス・三千代を強引に口説くがやがて逃げられ、明夫は31歳を目前に銀行強盗を計画する・・・。 ¥330 絞殺 1977年に実際に起こった家庭内暴力事件をもとに、新藤兼人監督がシナリオ化した衝撃の問題作。高校生の息子である勉に対し教育熱心な保三と良子。成績優秀な勉がある日突然暴力を振るいだし、バットで家中の物を壊したり、ついには母親を犯そうとする。思い悩んだ両親はついに我が子の殺害を決意するのだった…。良子役の乙羽信子は本作で79年のヴェネチア国際映画祭でイタリア映画ジャーナリスト選出女優を受賞。 ¥330 聖母観音大菩薩 巨匠、若松孝二監督が『愛のコリーダ』の松田英子を主演にメガホンを握った異色官能映画。北陸の漁村で、人魚の肉を食べたせいで不老不死となり、800歳まで生きたという土地の伝承「八百比丘尼伝説」をモチーフとして、人間の永遠のテーマである生と死を問いかける。ある日、皮膚がかさぶたに覆われ、町の人々から除け者にされていた老人を比丘尼は小屋に迎え入れる。ひたすら老人につくすと、唐人は恍惚の吐息をもらして死んでいった。比丘尼は800歳まで生きて、なお乙女の面影を持つという不老不死の美女であった・・・。 ¥330 ひめゆりの塔(1995) 那覇と首里の間に、通称”ひめゆり”の学園と呼ばれる女学校があった。昭和20年3月、卒業式を間近に控えた生徒たちに従軍命令が下され、唯一の女教師・宮城先生の下、”ひめゆり学徒隊”として総勢239名の女生徒たちが戦場へ駆り出される。看護活動を行う生徒たちも砲弾の嵐の中、ひとり、またひとりと重傷を負い、犠牲者に変わっていく・・・。沢口靖子、後藤久美子主演。40日間にわたる沖縄ロケを敢行。延べ1,000名を越す地元学生がエキストラとして参加し、当時の戦場シーンが見事に再現された。 ¥330 夜叉 背中一面に彫られた刺青から”夜叉”と呼ばれた大阪・ミナミの伝説の男、修治は、女のためにヤクザから足を洗い、日本海で漁師となって妻子と暮らしていた。ある冬、ミナミから蛍子という女が流れてきて小さな居酒屋を開く。その都会の刺激と香りに満ちた妖しい魅力に男の心が揺れ動く。しばらくして、蛍子のヒモでシャブ中のヤクザ、矢島が現れる。矢島が漁師仲間たちに覚醒剤を売っているのを知った時、再び修治の中の夜叉が蘇る・・・。高倉健が久しぶりのヤクザ役で出演、男の内面にあるギラリとした鮮烈な情念と哀感の翳りをいぶし銀の演技で見せる。 ¥330 書を捨てよ町へ出よう 寺山修司主催の人力飛行機プロがATGと提携して初めて劇場用35ミリ長編映画として製作した。演劇実験室“天井桟敷”を主催した寺山修司が、舞台でも公演した自作の戯曲を映画化した実験精神あふれる作品。典型的なダメ家庭に育ち、いつも家出を考えている屈折した「私」を中心にした世界が、現実・過去・幻想のイメージや新宿の雑踏でゲリラ的に撮った映像のコラージュの積み重ねによって自由奔放に描写される。家庭制度を否定し、書物的理性を軽蔑し、走りながらものを考える現代の若者の姿を浮き彫りにした作品。 ¥330 海へ See You 14,000キロを22日間かけて走破するという世界で最も過酷なレース「パリ・ダカール・ラリー」に賭ける熱き男たちの、情熱とロマンと人間模様を描いた大作。今年も4台の三菱パジェロで砂漠に挑もうとしているチーム「DANKAI」に、スポンサーから自社製品のCMに起用している人気歌手をチームに加えろとの至上命令が下る。しかし、そのタレントは全くの素人だった。大変な荷物を抱え込んだチームは、今は引退して外国にいる伝説のメカニック兼ドライバー・本間英次をサポートトラックのドライバーとして引っ張りこむ。そして、いよいよ第10回パリ・ダカール・ラリーはスタートする。 ¥330 海峡 青函トンネル開通工事という巨大プロジェクトに関わった人々の生き様を描く群像巨編。青函トンネル作りに執念を燃やす国鉄の技術調査員・阿久津剛、昭和29年青函連絡洞爺丸が台風のため遭難し母と死に別れた成瀬仙太、そして、関門、深沢、倶利伽羅と日本中のトンネルを掘り続けて来た明治生まれの岸田源助。世代の違う三人の男たちが、津軽から北海道へ、津軽海峡の底に“道”を築き出して行く。「日本沈没」「八甲田山」の森谷司郎監督が、日本の四季を織り交ぜて描いた壮大な人間ドラマ。 ¥330 もう頬づえはつかない 早稲田大学の卒業小説として書かれた見延典子のベストセラー小説を、「サード」の東陽一監督が映画化。自ら出演を希望した桃井かおりは自然な演技が評価され、その年のキネマ旬報賞主演女優賞のほか5つの賞を受賞。女性の自立をテーマに、当時の『シラケ世代』の若者像を見事に描いたATG映画のヒット作。女子大生のまり子(桃井)はアルバイト先で知りあった同じ大学の橋本君(奥田)と大して愛情もないのに同棲生活を始めた。そのとき、以前の恋人であった、30歳過ぎの売れないルポライター・恒雄(森本)が現れた・・・。 ¥330 無宿 高倉健、勝新太郎という豪華二大スター競演の話題作。監督は前年にキネマ旬報ベストワンに輝いた「津軽じょんがら節」の斎藤耕一。刑務所で知り合った旅廻り一座の駒玄こと駒形玄造と、ヤクザ渡世に生きる穴吹錠吉。出所後、兄貴分の敵をとるため人斬り仙蔵を探す錠吉と、山陰沖に沈むバルチック艦隊の軍用金引き揚げを夢見て海を目指す駒玄。途中、足抜けした女郎のサキエも加わり、男二人に女一人のやどなし三人組のさすらい旅が、日本各地の美しい自然の中で描かれる。映画を企画した勝新はロベール・アンリコの「冒険者たち」をイメージしたという。 ¥330 全身小説家 主宰する<文学伝習所>の生徒が書いた小説を、舌鋒鋭く批判する。その生徒たちや親友の埴谷雄高らと自宅の応接間で酒席を催す。旅回りの芸人に扮し、<津軽海峡冬景色>に乗って舞台でストリップを披露する。文壇バーでピアノの鍵盤を叩き躍る――作家・井上光晴のそんな姿を、映画は点描してゆく。そして伝習所に通う女生徒たちは、頬を紅潮させながら、「先生」とのアバンチュールを仄めかす……。かかりつけ医から勧められ井上は、東大病院外科の門を叩く。診察室でレントゲン写真を指し示しながら医師は、井上がS字結腸ガンであると告知する。それでも井上は文学伝習所の講義や講演で全国各地を回り、野間宏と「部落解放文学賞」の選考に当たる。そして幼少時を過ごしたという佐世保の元炭鉱町・崎戸を訪れるなど忙しい日々を送っている。ふたたび井上は、東大病院で検査を受ける。ガンはさらに進行していた。 ¥330 人間模様 禁制のキャバレーに女性秘書の吉野吟子を連れて行った七曜デパートの社長・小松原厚は、警官に捕まって警察に連行された。小松原は、一番確実な身元引受人として、学友だった大輪高等学校校長の息子・大輪絹彦を夜中に呼び出した。善良そのものの絹彦のおかげで二人はすぐに釈放されたが、小松原は別に礼も言わなかった。しかし、絹彦も何でもないような顔をしていた。そんな絹彦を見て、吉野吟子は何となく好ましく思っていた。ある日、絹彦がレンブラントの額を持って吟子のアパートを訪れてくる・・・。 ¥330 秋立ちぬ 小学校六年生の秀男は父を亡くし、銀座に八百屋を開くおじの店に身を寄せるため、母・茂子と呆野から上京した。そこでいとこの昭太郎と、小学校四年生の順子に出会う。順子は茂子が女中として働き始めた旅館「三島」のひとり娘で、母の直代は月に二、三回やって来る浅尾の二号であった。秀男はすっかり順子と仲良くなった。ある日秀男は、めかしこんだ茂子が真珠商の富岡を歩く姿を見かける。やがて、二人は駆け落ちし行方不明となってしまう。傷心の秀男は、順子と月島の埋立地に出かけた。そして夏休みも終りに近づいたある日、秀男の田舎のおばあさんからリンゴとカブト虫が届く。順子にあげようとしていたカブト虫に逃げられてしまっていた秀男は、喜び勇んで順子の家へ向かうのだが… ¥330 続 雷電 太郎吉は、おきんとの心中を決意するが、そこに現れた一介の幕府の役人ながら狂歌師として名高く大名たちにも一目置かれる太田蜀山人によって助けられる。おきんは本田中務大輔から蜀山人がもらい受けるが、太郎吉とおきんは改めて太郎吉が立派な関取になるまでは会わないという辛い誓いを立てる。太郎吉は、谷風部屋で白根山として一層稽古に励む。おきんと一緒に逃げた男が白根山と知った本多は、白根山と関ノ戸の対戦を本場所で組ませる。関ノ戸は、白根山との一番に向けて危険な頭突きの練習をしていた。 ¥330 女の座 東京近郊で荒物店を営む「石川屋」には、当主の金次郎、その後妻・あき、長男の未亡人・芳子、その息子・健、四女・夏子、五女・雪子が住んでいる。ある日、父・金次郎危篤の報せを受け、長女・松代、次女・梅子、次男・次郎、三女・路子夫婦が駆け付けた。金次郎は幸いにも持ち直し一同は安堵するが、子供たちは自分のことばかり考え、わだかまりが絶えない。唯一の他人である芳子は、石川家のことを考え金次郎とあきに尽くしているが…。 ¥330 流れる 幸田文の同名小説を映画化。経営の傾きはじめた芸者置屋を舞台に、女将・つた奴、不向きだからと芸者をやめてしまったつた奴の娘・勝代、出戻りの妹の身内や、年増の染香と現代娘のなな子といった芸者達の姿を、新たにこの置屋で働くことになった梨花の視点から描いた群像劇。錚々たる女優陣の持ち味を引き出した成瀬監督の演出が冴える。当時のスター女優だった山田五十鈴・田中絹代・高峰秀子・杉村春子・岡田茉莉子の豪華共演作品。 ¥330 三百六十五夜 新聞広告に掲載されていたとある屋敷の同居人募集記事に応募し、その令嬢・照子と相思相愛の中になっていた大阪出身の小六。小六の父親は、破産手前にある自身の会社・川北組を新興成金の小牧雄造からの資金援助で助けてもらおうと、小六に執拗に付きまとっていた小牧の娘・蘭子と政略結婚させようと企んでいた。小六はそれが嫌で東京へ逃げてきたのだった。お人よしの照子は、小六と川北組を助けるため屋敷を抵当に入れようとするが、頼んだ相手が運悪く、小六を蘭子の恋敵と妬む小牧商事の支配人・津川で、怪しげな契約書を取り交わし小切手を受け取ってしまう・・・。 ¥330 銀座化粧 津路雪子は銀座裏のバー・ベラミイに勤めている女給である。人情的で心が清らかな雪子は、一人息子の春男と二人暮らしをしている。雪子が勤めているバー・ベラミイの中では色々な人生が咲いては儚く散っていく。彼女の昔からの友人・静江は現在二号生活をしているため、雪子よりも裕福である。しかし突然、戦争中静江が疎開していた村にいた石川青年が静江を訪ねて上京することになる。ワケがある様子の静江は仕方なく石川の案内役を雪子に依頼する。雪子は春男と動物園に行く約束を破り案内役を引き受ける。しかし雪子は石川の朴訥な人間味に不思議な魅力を覚え、徐々に惹かれていく。雪子の中の母と女が激しく争うがその結果は…。 ¥330 日本のいちばん長い日 昭和20年8月14日正午の御前会議から翌15日正午の玉音放送までの24時間をドキュメンタリータッチで描いた岡本喜八監督による戦争超大作。ポツダム宣言受諾をめぐる政府首脳の動きと青年将校達のクーデター計画がスリリングに描かれる。三船敏郎をはじめとするオールキャストの熱演と手に汗握る展開が見どころ。 ¥330 晩菊 林芙美子の3つの短編小説を翻案とした成瀬巳喜男の傑作。不動産と金貸しで生計をたてているきん、夫と飲み屋をやっているのぶ、ホテルで掃除婦をしているたまえ、雑役婦をしているとみ。芸者上がりの4人の中年女性をヒロインに、各々のエピソードがユーモアと哀歓をもって描かれる。色恋より金が大事なきんはある日、若いころ燃えるような恋をした田部から会いたいと手紙を受け、美しく化粧をして迎えたが、田部の目的は金の無心だった。それを知ったきんはたちまち冷たい態度になり・・・。 ¥330 妻よ薔薇のやうに 女流歌人の悦子は、十年以上前に砂金を求めて山へと去っていった夫・俊作を強く想いながらも追いかけられない。父を慕う歌を詠む母を見て、結婚間近の丸の内OLである娘・君子は夫婦仲を元に戻そうと奔走する。やがて、遠い土地で芸者上がりの愛人・お雪と同棲し子供までもうけていた俊作を母の元に連れ戻してくるが、久しぶりに顔を合わせた夫婦の仲は冷え切っていて…。 ¥330 浮雲 1955年のキネマ旬報ベスト・テン第1位。林芙美子の同名小説を映画化した成瀬巳喜男=高峰秀子の代表作で、世界の映画史に燦然と輝く名作中の名作。戦時中の占領地・インドシナで愛人関係にあった幸田ゆき子と農林技師の富岡。引き揚げ後も妻ある謙吾との縁が切れず、ゆき子は自活のため身を売る。小津安二郎の言葉”俺にできないシャシンは溝口の「祇園の姉妹」と成瀬の「浮雲」だ”はあまりに有名。 ¥330 女が階段を上る時 菊島隆三がオリジナル脚本を書き下ろし、初めて製作も兼ねた作品。バーで働く女の哀歓と客やマネージャーらの人間模様を綴る成瀬巳喜男後期の名作。夫に先立たれ、銀座のバーで雇われマダムとして働く矢代圭子は、店のマネージャーだった小松らと借金で新たに店を持つが、非情なプロに徹しきれずに悩む。実家で療養中に圭子は店の客だった関根、藤崎らと次々に関係を持つが・・・。流されていく女の心理が丹念に綴られる。 ¥330 暁の追跡 夜勤明けで疲れていた石川巡査のもとに、怪しい男・フナキが連行されてくる。やがて取り調べの途中にスキを見て逃走を図ったフナキだったが、線路へ逃げ込み列車に轢かれ死んでしまう。後日フナキは犯罪集団の手先として利用されていたと判明する。石川がフナキの家に見舞いに行くと、妹・ユキエから兄は殺されたと怒鳴られ追い返されてしまう。警察官という立場の難しさに直面する石川。ある日同僚による偶発的な拳銃事故もあり、様々な気持ちの葛藤もあって辞職しようと決心した最中、衝撃的な事故が起こる。このままでは辞められないと改心した石川は、犯罪集団の追跡に闘志を燃やすのであった・・・。 ¥330 山の音 川端康成が戦後最初に発表した小説を成瀬巳喜男が映画化。鎌倉のとある中流家庭を舞台に、老境に入った男が、同居する若く美しい息子の嫁に抱く複雑な感情を描いている。信吾は息子夫婦と同居しているが、息子には愛人がいて、妻を省みようとしない。やさしい嫁を不憫に思う義父は、夫婦の関係を何とか修復しようと誠意を尽くすが、やがて義父は嫁から夫と別れると打ち明けられる・・・。人妻役の原節子の存在感が絶品。 ¥330 果てしなき情熱 引揚者の三木太郎は天涯孤独の作曲家で、薄汚いアパートの部屋と三文キャバレーだけが彼の世界であった。キャバレーの歌手・福子と給仕のしんはひそかに三木に恋心を抱いていたが、三木には小田切優子という信州の片田舎で出会った忘れられない人がいた。気持ちを紛らわすため酒に酔っていた三木は、道端で突然女の悲鳴を聞く。短刀を片手にした暴漢が女に迫っていたのだ。その様子を見て三木はびっくりした。その女とは、あの優子だったのだ・・・。 ¥330 かあちゃん 東京の下町でブリキ屋を営む豊田一家は、正月を迎えるお金にも苦労していた。母・お雪の苦肉の策でどうにか正月を乗り越えたものの、晩酌の酒も飲めない父・由五郎は不機嫌になる一方。そんな折、正子がお雪をモデルに粘土で作ったお面が学校で賞をとった。大事に神棚に飾っていたが、由五郎は「気味が悪い。こんな縁起の悪いお面があるから我が家は貧乏なんだ」と正子をなじる・・・。 ¥330 前へ 2 / 6ページ 1ページへ 2ページへ 3ページへ 4ページへ 5ページへ 6ページへ 次へ 除外キーワードで絞り込む を除く 他の条件で探す 新着 ランキング 作品一覧 価格から探す 0〜99円 100〜299円 300〜399円 400〜699円 1000円〜